スマートフォンやタブレットなどのデバイスで、インターネットや
音声通話を利用するために欠かせないのが「SIMカード」です。
SIMカードはデバイスに挿入して使用しますが、
3つの異なるサイズのSIMカードが存在します。
この記事ではSIMカードの種類やサイズについて、
スマートフォン本体とSIMカードのサイズが合わない場合に
どのように対処すれば良いかについて解説します。
SIMカードはスマートフォンやタブレットなどのデバイスが
通信回線を利用する際に必要なICチップです。
SIMカードの中には電話番号や契約者情報などのデータが保存されており、
通常は通信会社から提供されたSIMカードを使用しています。
通信を行うためにはSIMカードの契約が必要であり、
Wi-Fi環境下での利用に限定されることはありません。
SIMカードは端末本体に入っています。
たとえば、iPhoneなどの一部のスマートフォンでは、
本体の側面にあるSIMトレイに専用のピン(SIMピン)を差し込むことで
SIMトレイを開けることができます。
SIMトレイを開けたことがない方でも、店舗で手続きをする際に
スタッフがSIMトレイをピンで開けてSIMカードを挿入する様子を
目にしたことがあるかもしれません。
SIMトレイは小さな部分であり、
その中に挿入されるSIMカードも非常に小さなものです。
SIMカードは非常に小さな部分であり、SIMカードの出し入れにより
通信を中断するため、必要な場合以外はあまり取り外すことはありません。
SIMトレイを開ける際には、
デバイスの電源を切った状態で行う必要があります。
なお、機種によって取り扱い方法が異なる場合もありますので、
公式サイトや取扱説明書を確認することが重要です。
また、SIMカードやSIMトレイがなくならないように注意してください。
【SIMカードの種類・大きさ】
SIMカードは現在、3つの異なるサイズがあります。
標準SIM、microSIM、nanoSIMです。
2023年現在、主流となっているのはnanoSIMと呼ばれるサイズです。
過去から振り返ると、SIMカードはどんどん小型化されてきました。
標準SIM、microSIM、nanoSIMの3つのサイズは、それぞれ異なります。
スマートフォン本体のSIMトレイのサイズに合わせたサイズのSIMカードを使用します。
自分のスマートフォンにどのサイズのSIMカードが入っているかは、
SIMトレイを開けて確認するか、インターネットで調べることができます。
通信会社の公式サイトやスマートフォンメーカーの公式サイトで
機種のスペック情報を確認すると、大抵は「nanoSIM」などの
SIMカードの種類が表示されています。
SIMカードは、標準SIM、microSIM、nanoSIMの3つの種類が存在し、
それぞれ異なるサイズであることを説明しました。
では、それぞれのサイズがどれくらい違うのか、具体的な大きさを見てみましょう。
・標準SIM
標準SIMは、SIMカードの中では最も大きく、サイズは25mm × 15mmです。
初代iPhoneからiPhone 3GSまでの端末や、比較的古いAndroidスマートフォンなどが標準SIMに対応していました。
・microSIM
microSIMカードは、スマートフォンの普及が進んだ時期に
おそらく最もよく見かけたサイズだったかもしれません。
そのサイズは15mm × 12mmで、標準SIMよりもコンパクトです。
microSIMカードは2003年に登場したようですが、広まり始めたのは
2010年のiPhone 4とiPadの発売時でした。
・nanoSIM
nanoSIMカードは、現在最も小さいサイズであり、
その大きさは12.3mm × 8.8mmです。
2012年に発売されたiPhone 5から採用され、
現在では主流のサイズとなっています。
非常に小さく、簡単に紛失してしまいそうなほどです。
お子様やペットがいる場合は誤飲のリスクも考えられるため、取り扱いには特に注意が必要です。
・マルチカットSIMカード
SIMカードには標準SIM、microSIM、nanoSIMの3つのサイズがありますが、
それぞれのサイズに合わせて切り込みが入った「マルチカットSIMカード」というものが存在します。
これにより、好きなサイズにカットして使用することができます。
・eSIM
最近では、eSIMに対応しているスマートフォンが増えています。
eSIMは、スマートフォンから取り外すことはできず、
スマートフォン本体に組み込まれた小さなICチップです。
このチップに通信に必要なデータを書き込み、利用します。
eSIMは、対応しているスマートフォンでのみ利用可能です。
したがって、対応していないスマートフォンで誤ってeSIMで
契約してしまった場合は、SIMカードに変更する必要があります。
SIMカードの変更時には、各通信会社で手数料が発生することがあるため、
契約時に対応可能なSIMのサイズを確認することが非常に重要です。
ちなみにSIMの正式名称は「Subscriber Identity Module」です。
直訳すると、「加入者識別部品」となります。
一方、eSIMの正式名称は「Embedded Subscriber Identity Module」です。
直訳すると、「組み込まれた加入者識別部品」となります。
このように言われると、eSIMがスマートフォン本体に組み込まれているというイメージがより具体的になりますね。
【SIMカードのサイズが合わない時】
先ほどは、スマホが対応しているSIMカードのサイズを調べる方法として、
SIMトレイを開けて確認する方法やスマホメーカーの公式サイトを利用する方法をご紹介しました。
では、もしSIMカードがスマホなどの機種と合わない場合は、
どのように対処すればよいのでしょうか。
標準SIM、microSIM、nanoSIMの3つのサイズは異なるため、
異なるサイズのSIMを無理にSIMトレイに挿入してしまうと、
トレイを閉めることができません。
通信の問題だけでなく、SIMカードやスマホ本体の故障の原因にもなります。
故障を回避するためにも、まずは適切なサイズのSIMカードに交換または変更する必要があります。
【通信会社でSIMカードを交換・変更】
SIMカードと機種のサイズが合わない場合は、
SIMカードを交換または変更することが可能です。
契約している通信会社で、「SIMカード交換・再発行」といった
手続きを行うことができます。
多くの通信会社では、公式サイトやアプリのマイページなど
オンライン上でお手続きが可能です。
また、ドコモ、au、ソフトバンク、UQ、ワイモバイルなどの
一部通信会社では、店頭で手続きができることもあります。
その場合、事前に店舗に電話をして予約、準備物を確認する必要があります。
SIMカードの交換や再発行には、通信会社ごとに手数料が発生する場合がありますので、事前に公式サイトなどで確認してみることをおすすめします。
【SIMカード変換アダプター】(※おすすめはできません)
SIMカードを交換・変更する方法以外に、
SIMカード変換アダプターを使用するという手段もあります。
SIMカードには標準SIM、microSIM、nanoSIMの3つのサイズがあり、
大きい順に標準SIM > microSIM > nanoSIMとなります。
現在最も小さいサイズのnanoSIMをmicroSIMに変換、nanoSIMを標準SIMに
変換するアダプターなど、SIMスロットのサイズに合わせて変換するための
アダプターがAmazonなどで販売されています。
SIMカード変換アダプターを利用することで
追加の費用が発生しないという点は利点となります。
ただし、SIMカード変換アダプターは完全にははまらない場合もあり、
SIMスロットに適切に挿入できなかったり、
引っかかってSIMカードを取り外せなくなったりすることも…。
無理に取り外そうとした結果、
最悪の場合はSIMスロットが損傷するリスクもあります。
変換アダプターの性能は商品によって違うかもしれませんが、ほんの少しの動きや誤った取り扱いで簡単にずれたり落下したりする場合もあります。
そのままずれた状態でスマホのSIMトレイに無理に挿入した場合、
故障の可能性もありますので注意が必要です。
これらのリスクを理解した上で、SIMカード変換アダプターの利用を検討することが重要です。
【不要になったSIMカードの処分方法】
SIMカードをサイズ交換したり、契約のプラン変更をしたり、
オンラインで通信会社を切り替えたりすると、新しいSIMカードが
手に入りますが、以前使用していたSIMカードは不要になります。
SIMカードは通信会社からの貸与品ですので、
通信会社に返却しなければいけない場合があります。
自分でチップ部分をハサミなどで切断して破棄してもいい場合もあります。
不要なSIMカードの処分方法については、
契約していた通信会社の公式サイトで確認する必要があります。
また、廃棄する際は自治体のゴミ収集ルールなども確認し、適切に処分しましょう。
SIMカードの種類やサイズについて、改めてまとめてみます。
SIMカードには3つのサイズがあります。
標準SIMは25mm×15mm、microSIMは15mm×12mm、
nanoSIMは12.3mm×8.8mmです。
現在主流となっているのはnanoSIMですが、
正しいサイズのSIMカードを使用しなければ通信ができません。
また、最近ではeSIMに対応したスマホも増えてきています。
eSIMはSIMカードとは異なり、
スマホ本体に組み込まれた小さなICチップです。
なお、eSIM未対応のスマホでは使用することができません。
SIMカードのサイズを間違えた場合やeSIM非対応のスマホで
eSIM契約をしてしまった場合は、契約している通信事業者でSIMの交換や
再発行手続きを行う必要があり、手数料がかかる場合があります。
現代ではオンラインでの契約もできるようになり便利になりましたが、
SIMカードの入れ替えは自分で行う必要があります。
SIMカードと機種が合わなかった場合の手間やかかる手数料を考えると、
正しいSIMカードのサイズを準備することが非常に重要です。